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LIVEってことの意味 [Music]

僕は映画を観るのがわりと好きで、年間で少なくても20本くらいは劇場で鑑賞していると思う。
やっぱり映画っていうのは、劇場の暗闇で、スクリーンで観てこその文化、芸術、作品だと思っている部分があって。
まぁ、たまにうたた寝しちゃったりとかするんだけど、それもまた僕にとっては、劇場で観ることの楽しみの一つだったりする。
だけど、当然DVDやBSなどのテレビ放送、またはアップルTVやアマゾンプライムビデオなんかの配信で観ることの方が多い訳で、それでもやっぱり楽しいし、感動して泣いたりとかする。

みんなどうなんだろう。そうとうな映画ファンの人でも、もしかしたら劇場にはほとんど行かないっていう人もけっこういるのではないだろうか。
それこそ配信で、スマホさえあれば観たい時に観れる。家でも、通勤の電車の中でも、デートをすっぽかされた日曜午後の喫茶店でも、観れる。
もう昔みたいに駅前ツタヤさんにDVDを借りに行かなくてもいい。
劇場には行かないけど、僕なんかよりよっぽど詳しい、評論家ばりの映画通の人がきっとたくさんいるのだろう。

みんな知ってると思うけど、僕は音楽とくにロックが好きで、レコード、CD、そこそこ持ってる。何年か前にかなり大がかりな断捨離をしてだいぶ減らしたから今の在庫は600枚くらいかな?特別大好きな訳でもなく、しょっちゅう聴く訳でもなく、いつでも手に入りそうなCDは大量にディスクユニオンに持っていった。ダムドのファーストとか。
でも、レコードって手放せないんだよね〜。
やっぱりレコードアルバムっていうのは、ジャケットから歌詞カード、もちろん楽曲とその曲順、それにあの匂い、すべて含めてのアート、メッセージ、作品だと思っている部分があって。
まぁ、30年前、レコードがCDに変わった時に、こんな小っせージャケットじゃアートを感じないよなぁ、などと友達と言ってたりもしたけど、とっくにCDが当たり前の時代も過ぎて、もはやジャケットなんかスマホの画像でしかない配信の時代な訳で。
そんな僕でも、もうCD買わなくなったなぁ〜。スプリングスティーンの新作でさえ、ストリーミングで聴いちゃってるもんねぇ。今はもう、それでいいや、って思っている。
CDなんて1枚も持っていないけど、音楽通っていう人はもうすでにたくさんいるのだろう。

「音楽ってやっぱり生だよねぇ」
「やっぱりライヴがいいよねぇ」
って、そんなことは僕たちの世代はほとんどの人が知ってると思うんだ。

だけどいずれ、この言葉の意味が変わってくるんじゃないのかなぁ。
「生」っていうのは生中継の「生」。その会場で観るってことに限らず、リアルタイムで映像を観るってこと。
「ライヴ」っていうのも同じ。ほらテレビでニュースなんか見てるとどこかからの中継の時に画面の隅に「LIVE」って文字が入ってたりするじゃない。「ライヴを観る」というのは、その会場で観るってことに限らず、パフォーマンスを映像で観るってこと。

今年、ライヴ配信っていうのがたくさん行われている。僕のライヴも配信してもらったのが何本かある。
僕は、僕たちの世代が思う「生」「ライヴ」にこだわってやってきたし、今でもそうだけれど、配信っていうのは間違いなくいいことだと思っている。
会場に来れない人に届けられるは嬉しいし、ライヴが終わってから「配信見たよ」って連絡もらったりすると手応えを感じる。また、何日間かアーカイヴとして保存される場合は、ライヴの時間に用事があった人でも時間がある時に観てくれたりして、けっきょく僕のライヴのために同じだけの時間を割いて観てくれている訳で、ありがたいと思う。

たぶん、ライヴ配信っていうのは今後も残っていくと思うし、もしかしたらそれがこれからの「ライヴ」っていうものになるのかもしれない。
映画館に行かない映画ファンやCDを持っていない音楽ファンがいるように、ライヴ会場に行ったことはないけれど、誰それの大ファン、あのバンドの大ファンっていう人たちがこれからもっと増えていくだろう。
僕たちの世代の言う「生」「ライヴ」の良さって言うものに気づくこともなく。
それは、うっかりうたた寝をしてしまう劇場のあの心地よさを知らないのと同じで。ジャケットからレコードを取り出した時の塩化ビニールのあの匂いを知らないのと同じで。

これからどうなっていくのだろう。僕の好きだったロックの、ロックンロールのライヴのあの感じ。ライヴハウスの濃密なあの感じ。狂おしいようなあの熱。
もう消えてなくなってしまうのだろうか。
これからは、時代に合わせた新しい世代が、新しいロックをスマートにやるのだろうか。

だけどさぁ、言っちゃうけど、最近のロックなんて、音楽室で作ったようなロックばっかりじゃねぇか。
よく出来た歌詞に、よく出来たメロディ、アレンジもよく考えられてるし、演奏もめちゃくちゃ上手い。ほんとによく出来てる。
けど何か違うんだよな。
ロックって、そんなんだったっけ?
路上で覚えたことをガレージで歌にした。そんなロックが好きなんだけどな。
なんかガチャガチャ鳴らしてたら、なんか分かんねぇけどカッコイイじゃんって。そんなロックが好きなんだけどな。
音楽室なんてロックが生まれる場所じゃないんだ。
関ジャムに取り上げられるのがステータスか?アイドルや職業作家に褒められるのがロックンロール か?

俺の頭が古いのか?

アンダーグラウンドには、ライヴハウスには、まだ本物のロックがある。
セレブに成り下がったロックスターなんかはとっくに忘れてしまったロックンロールが響いている場所がある。
その熱や匂いまで、配信で届けられたらいいのだけれど。

ロックンロールはずっとサヴァイヴしてきた。アラン・フリードが名付けた時から。音楽、文化、時代、風俗などなど、あらゆるものを飲み込んで。
もしかしたら、新しいロックンロールは音楽室を飲み込んだのかもしれないな。
きっとロックは死なない。
俺が好きなロックは、もう、あと少しで消えて無くなるのかもしれないけれど。
それはそれで、いいのかもしれないな。

Good Noirで2本ライヴがあります。

☆11.29(sun)
荻窪 club Doctor
http://www.clubdoctor.co.jp

open18:30start19:00 ¥2.500(+drink¥500)
Happy hour(open〜start)+¥1.000→3drinkチケット

出演
Good Noir
半澤則吉
ELIOT
LA★ROCCA

♪Good Noir  start→19:40


☆12.5(sat)
大塚 Hearts next
http://hearts-web.net/next/
 
「カリブの海賊」vol.35
  〜ジョンの魂 Power to the People

open14:30start15:00
前売•予約¥3.000当日¥3.500(+1drink)
ライヴ配信¥ 2.000

出演
Aichi.xxx
The Bartletts
camp
THE DRAGON★FLY
Good Noir
psychOrange
東京ネイルキャッツ
24thDecember
the69-渡辺伸一&his band-
KING OF PIRATES

sub stage-
Ko-1(マジック)
トリトン海野(らっぱ漫談)
なっきー(漫談)
朝倉まこと(アホーマンス)
せつこ(バルーンパフォーマンス)
おしんこきゅう(漫才)
参八横丁(漫才)
瑞希桃香(三味線)
 
FOOD/海賊キッチン(CHU-TA)
チャリティーフリマ/渡辺商店

♪Good Noir start→15:00

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11.7 Nap [Acoustic]

7日、日吉Nap、ONOchan solo、来てくれたみなさん、配信を観てくれたみなさん、ありがとうございました。
対バンのみなさん、ナップスタッフのみなさん、お疲れ様でした、ありがとうございました。

日吉でのNap、最後の出演でした。
まぁ、こんな世の中でなければまだまだ“日吉”のNapは続いたのだろう。残念だけど仕方ない。閉店の知らせを聞いた時はかなり寂しい気持ちになったのだけど、白楽に移転して12月からリスタートすると聞いてよかったと。

しかし、この日吉のステージにはかなり思い入れがある。
18年前、たぶん今頃だったと思う。昔バイトが一緒だった友達のライヴを観に初めてナップに行った。その時、その友達が紹介してくれて年明けに出演させてもらうことになった。出演申込書のアーティスト名にはたぶん平仮名で「おのちゃん」と書いたんだよね。
それまでソロっていうのはたま〜にやったことはあるのだけど、基本ロックンロールバンドなんで、ソロの名義なんてその時その時で違ってたし、考えてもいなかった。バンドのプロフィールなんかは本名で書いてた。

ライヴの日、店の前のボードの出演者には当然「おのちゃん」と書いてあった。だけど何故かライヴのセットリスト表には「ONOchan」って書いたんだ。それを見て店長さんが「スミマセン、おのちゃんってこう書くんだったんですね。平仮名で書いちゃいました」なんて言う訳。で、俺は「いえいえ、たった今思いついたんです。直さなくて大丈夫です」と。
その時から自分のステージネームの表記は「ONOchan」と書くことに決めた。

その年、俺のバンドはあまり活動できていなかったから、ナップには月1くらいのペースで出演させてもらった。アコースティックギターを持っているっていうだけで、アコースティックの表現の仕方なんてまるで分かっちゃいなかった。バンドと同じようにガチャガチャ鳴らしてるだけだった。
アコースティックのハコだから当然ロックな奴は少ないんだけど、その少ない奴らが自然と集まって友達になった。
そんな奴らで集まって企画をやらせてもらったこともあった。
打ち上げは必ず立ち飲み屋の寅さん。まだカウンター5席くらいしかない狭いお店だった頃。みんな入りきれなくて路上で飲んだなぁ。
その年、ジョーストラマー1周忌の命日にもナップで歌った。「Garage Land」カヴァーしたな。
2003年のこと。ソロっていう表現を始めて、新しい出会いがたくさんあって、非常に濃厚な1年だった。
その後バンドが転がり始めて、ソロの方はだんだんと回数が減ってしまうことになるのだけど、俺のロックンロールライフの中には「Nap時代」と呼べる月日が確実にある。
ソロとしてのONOchanの原点だったし、ここに育ててもらったと思っている。

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だからね、このステージで歌えるのも最後かと思ったらちょっと落ち着きがなくてね、ベルトしてなかった(笑)
びっくりしたっちゅーの。家出る前、なんかバタバタしてたんだよね。着いて、リハーサルする時になって、上着脱いだら、まずシャツのボタンが2つしか止まってないの。で、腰にベルトがない。
リハーサル終わってから、ユニクロに買いに行ったよ。あるとないじゃ全然違うのね。ベルトって(笑)
まぁ、本番までにはしっかりコントロールできたと思うのだけど、落ち着いて歌えた。はず。

set list
①ヘッドライトを夜明けに向けて
②明日
③Unchained Melody
④旅の途上
⑤Sweet19
⑥風と共に去りぬ

アコースティックの時はいつも1曲ごとに区切って簡単なトークを入れるようにしてる。お客さん座ってることがほとんどだし、こっちだけテンション上がってもお客さんついてこれないから。
だけど、今回はもう最後だし、しょーもないトークなんかするよりいつもより1曲多く歌おうと、6曲ほぼ連発でジャスト30分。これが自分なりのこのステージとのお別れの仕方だったかな。

どのライヴも特別なんてなくて、どのライヴでもその時その季節そのご時世でのベストの選曲をしているつもりではあるけど、今回のリストはBest of ONOchanって感じではある。俺のベストアルバムがあったら絶対入る6曲。もちろん今の自分の気持ちによるとこは大きいのだけど。ロックンロールは今じゃなきゃダメだろ。バンドでもこれが出来れば俺はもっといいパフォーマンスができると思うのだけどなぁ。まぁ、その辺がソロのいい所でもあり、逆に言えばすべて自分1人が負うことになるから怖さでもあるか。

今回も帰りは寅さん。土曜日なのに営業時間短くなってて1杯だけ。ナップがなくなったら日吉の街が遠のくなぁ。でも寅さんにはたまには行きたいな。

来週、15日、日吉でのナップの大トリは紗羅さん。最初の1年に出会った、ナップ同世代。きっともう何代も世代があると思うのだけど、最後が紗羅さんっていうのはなんか嬉しい。見届けに行こうと思う。

配信の映像がアーカイブで何日間か見れるようなので、お時間あったら是非どうぞ。ONOchanは2:17:00くらいから。



で、1曲抜粋して自分とこにもアップしたんで、こちらは「旅の途上」。


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