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詩の断片 [My Life]

先日、横浜美術館に最果タヒ詩の展示を観に行った。

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ワンルームだけの展示で入場は無料。
詩の断片がモビールに吊るされていて、観客が動くわずかな風で回転する。

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白地と黒地の裏表になっていて、ひとつのモビールの上から例えば白地の方を続けて読めば繋がっているのだけど、何しろモビールだから、くるくる回る。
ふと、新たな言葉の連なりが生まれてくる。

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200円だったパンフレットによると、詩の断片は666。
もし白地の断片を上から読んでも下にあるモビールが黒地の方がこちらに向いていたりする。そのまま黒地の方を読んで新たな詩の連なりを作るのもあり。
また、白地の方を読むためには自分が移動するのか、モビールが回転するのを待つのか。言葉が途切れる。空白が生まれる。空白は無ではない。そこに本で読むのとは違う、この場所で読むその人だけの解釈、感情、意味が完成する。もしかしたらその空白こそが詩なのかもと思った。

展示あとがきにあった「読むという行為は受動的なものではなく、むしろ、ずっと能動的。あなたが、何かを見つけ出し、言葉を変容させること」という言葉の通り、作者と観客によって作り出す作品とも言える面白い展示だった。

空白、大切だよなぁ。違う言い方だと、行間か。今はやたらと説明したがる、全部言ってしまう、言い過ぎってことが多いと思う。特にドラマなんか観てると。作り手が全部説明しちゃう。また観る側も答えを求めてしまうところがある。頼んでないのに解説したがる奴もいたりする。
表現に正解はなくていいし、芸術は受け取る側の自由な解釈でいいと思うのだけどね。

歌詞を書く時、言い過ぎないようにっていうのはけっこう気にする。昔は100%言いたかった。今は60%にしとこうと思っている。100%にならないための言葉を探してはボツにし、懸命に叩き出そうとする。なんとも矛盾に満ちた行為。

この展示観に行って、言葉の断片を集めておいて無作為に繋いでみたりするのも面白いかもなぁと思った。
今度やってみようかな。うっかり繋がりを考えちゃったりするんだろうなぁ……。
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