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あん [Book]

2月6日、ドリアンさんの新作「あん」が発売になりました。


あん (一般書)

あん (一般書)

  • 作者: ドリアン助川
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2013/02/07
  • メディア: 単行本


線路沿いから一本路地を抜けたところにある小さなどら焼き店。千太郎が日がな一日鉄板に向かう店先に、バイトの求人をみてやってきたのは70歳を過ぎた手の不自由な女性・吉井徳江だった。徳江のつくる「あん」の旨さに舌をまく千太郎は、彼女を雇い、店は繁盛しはじめるのだが……。偏見のなかに人生を閉じ込められた徳江、生きる気力を失いかけていた千太郎、ふたりはそれぞれに新しい人生に向かって歩き始める――。生命の不思議な美しさに息をのむラストシーン、いつまでも胸を去らない魂の物語。(Amazon内容紹介)

講座の中でも、何度か話して聞かせてくれたハンセン病の患者さんの話。

以下、ドリアンさんの2月4日のブログから抜粋です。

 “16年前、深夜放送のパーソナリティをしている時に、
 「人の役に立たなければ生きる意味はない」という少年少女たちの声を聞きながら、
 ボクはなぜかそこに違和感を抱きました。
 もちろん、人の役に立つことは素晴らしいです。
 でも・・・それなら、
 生涯を療養所で暮らさなければいけなかった人や、
 わずか二歳で命を失ってしまった子供には、
 生きる意味はなかったのだろうか?

 ずっと、その答えを探し続けてきたのです。
 そして、ある出会いをきっかけに、ボクはハンセン病療養所に足を踏み入れました。

  取材、執筆3年。
 ようやく自分にとっての代表作が生まれました。
 病苦と困難、偏見のなかを生き抜いた一人の女性と、
 人生半ばで蹴つまずいてしまった男。
 二人の出会いと別れを通じ、
 人はなぜ生きるのか、という根本からの命題に迫ったつもりです。”

生きる意味。ドリアンさんと同じことを考えてしまう時がある。俺は普段の仕事柄、時々、たとえば2年しか生きられなかった命、たとえば3カ月しか生きられなかった命、時にはこの世に生まれることが出来なかった命に出会ってしまう時がある。その生命の意味。人はなぜ生きるのか。考えたくなくても考えてしまう。

講座で話を聞いた時から発売を待っていた本。
アマゾンで予約しておいたから明日には届くだろう。

ドリアンさん自身が「多くの人に読んでもらいたい」「心の財産になると信じている」という小説。普段あまり本なんて読まないっちゅー人もぜひ手に取ってみてはいかがですか?
ドリアンさんの文章はすごく読みやすいし、必ずココロに何かが残ります。
俺は読み終わったら、また感想など書くね~。

そんな感じで、読む前の本の紹介をしてしまいましたが、今日は昔住んでいた町の昔よく行ったお好み焼き屋さんに行きました。
久しぶりだったけど、うまかったなぁ。

座敷の奥の上の方にテレビがあって、俺はそのすぐ下にテレビに背を向けて座っていた。店内には俺と連れの他に男3人と男2人のグループがいた。俺のテーブル以外は話が盛り上がってるようだった。
すっかりおなかいっぱいで、一服していた時、連れが「壇蜜出てるよ」と言うんで、振り返ってテレビを見上げた。が、そんな無理な体勢で見ていても「そんなにまでして壇蜜みたいの~?」と店員の女の子に軽蔑されても恥ずかしいので、すぐにまっすぐ座り直した。
ちょっとして、テレビからちょっとエッチな「あん」っていう声。一瞬のうちに店内シーーーンとなりましたね。あっちのグループもそっちのグループもみなさんテレビを見上げていました。
僕はうっかり笑ってしまいました。
まぁ、今後はテレビに背を向けて座らないように心がけます。

そんな訳で、壇蜜の「あん」はそりゃあいいと思いますが、ドリアン助川の「あん」はもっと大きな意味を持つと思うんで、読むのが楽しみだなぁっちゅー話。

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マルドロール [Book]

俺の趣味というと、音楽鑑賞、読書、映画鑑賞っちゅー感じだったんだけど、難聴になってからだんだんと音楽を聴くことが減ってしまった。
だってさぁ、まともに聴こえねぇじゃん。まぁ、残念なのはTHE WHOの「四重人格」の1曲目「REAL ME」のベースを2度と聴くことが出来ないっていうくらいなんだけど。だから、低音が聞こえる奴は今のうちに「四重人格」聴いておけって。ついでにBCの「風になる時」の間奏のガンちゃんのベースも聴いてやって。

3年前まではCDを中古も含めて、ひと月に5~10枚は買ってた。そのうち3分の2は何回か聴いたらブックオフ行き。
けど、去年は年間で5枚くらいしか買ってないんじゃないかなぁ?
もういいの。今まで十分聴いた。

そんな感じで今では読書、映画鑑賞の方が音楽鑑賞の時間より圧倒的に多い。
BCは冬休み中ってことで、年末から相当な数の映画観たんじゃないかな。
だいたいBSかひかりテレビで録画したもの。ツタヤには行かない。おもしろそうな映画けっこうやってんだよね。

この前、ジム・ジャームッシュの短編「パーマネント・バケーション」を観たら、その中で主人公が「マルドロールの歌」っていう本を読むシーンがあった。
そんでうっかり、「マルドロールの歌」読みたくなっちゃったんだよねぇ。

24歳で無名のまま謎の死を遂げたフランスの作家ロートレアモンの散文詩「マルドロールの歌」。
10年ちょっと前かな、古本屋で買った。
佐野さんが「マルドロールの歌」に影響されて「ハートランドからの手紙」を書き続けているっていうことを言ってたし、寺山修二も影響を受けたっていうことだったから。

俺が持ってんのはたぶんもう出版されていないと思うんだけど思潮社の「ロートレアモン詩集」(渡辺広士訳)。

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そうとう汚い、ボロボロ。

昔読んだ時は、当時の俺の頭じゃまったく読み解けなかった。まぁ今でもたいして変わっていませんが。ちゅーか読み解けなくてもいいと思う本なんだけど。シュールレアリズムのバイブル的な評価もされてんのかな?
よく悪魔的な言葉とか、狂気の世界とか、呪詛とか、麻薬的とか、退廃美とか言われるけど、それだけじゃない何かがあるっていうか。

これ、10代の頃に出会っていたら、俺が作って来た楽曲(特に歌詞)は多少変わっていたんじゃないかって思えるくらい強烈なインパクトがある本だと思う。

第一の歌から第六の歌でなる散文詩で、今、第二の歌を少し読んだところだけど、たとえばこんな感じ。

“生まれてこのかた、おれは見て来た、人間どもが一人残らず肩をすぼめて数数の愚かな振舞いをし、たがいに仲間を阿呆にして、手を変え品を変え魂を堕落させるのを。彼らはおのれの行動の動機をこう呼んだ、名誉、と。この見世物を見て、おれは他の連中のように笑いたいと思ったものだ、だがやってみると、そんな奇妙な人真似はできるものではなかった。おれは鋭い鋼鉄の刃のついたナイフを手に取り、二つの唇の合わさるあたりの肉を切り裂いた。”

前に読んだ時より、言葉が入ってくる感じがした。たとえ読み解くことが出来なくても、このマルドロールの残酷でどこか美しい言葉に再び浸ってみたいと思う。

昔、音楽に感じていたのと同じ陶酔が今は本の中にある。特にこのマルドロールにはね。

アマゾン見たら、違う訳がいくつか出てるみたいで、そっちの方もいつか読んでみたいなぁ。けど、そんなにしょっちゅう読むような本じゃないよなぁ。


ロートレアモン全集 (ちくま文庫)

ロートレアモン全集 (ちくま文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2005/02/09
  • メディア: 文庫



マルドロールの歌 (集英社文庫)

マルドロールの歌 (集英社文庫)

  • 作者: ロートレアモン伯爵
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1991/04/17
  • メディア: 文庫



マルドロールの歌 (角川文庫クラシックス)

マルドロールの歌 (角川文庫クラシックス)

  • 作者: ロートレアモン
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1980/10
  • メディア: 文庫



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ファーブル [Book]

「ファーブル昆虫記」って子供の頃読んだことがあるよねぇ。図書館で借りて何冊も読んだ記憶はある。
けど、あまりにも子供すぎて内容はほとんど覚えていない。

たった今、だいぶ前に録画しておいた、BSでやってたファーブルのドキュメンタリー番組を観た。
ファーブルの人生は子供を病で亡くし、生物学的に正しい事を講義で教えてしまったがために神を冒涜したと言われ教職を失い、住む場所を追われ、そして妻にも先立たれ、「昆虫記」を書き始めたのは晩年になってからだった、という苦難に満ちたものだった。そのことをほんのちょっと聞きかじり、ちょうどその頃にタイミングよく放送されていたから気になって録画しておいた。

子供の頃に読んだ「ファーブル昆虫記」は子供向けのものだったのかなぁ。それとも、子供だったから全く理解できなかっただけなのかなぁ。
「昆虫記」の中に、こんな人生哲学的な文が書かれているとは知らなかった。
まぁ、忘れないようにメモってことで。


「昆虫記」第9巻11章より

あぁ働き者のコガネグモたちよ。
お前たちは食べるために、毎日、忍耐を重ねている。
それでもまったく食べるものが手に入らない日も少なくないことだろう。
私も思想という手に入れるのが難しい糧を捕まえるために根気よく網を張っている。
自信を持とう。
人生の最良のものは現在になく、過去にはなおさらないのだ。
それは未来の希望の中にこそある。
待とうではないか。


「昆虫記」第10巻14章より

戦争こそは我々の愚かな行いのうちでも最も愚かしいものである。
最も幸福な民族とは最も多くの大砲を持っている民族のことではなく、平和に働き豊かに生産する民族のことである。
平和に暮らす為には国境なんか全くいらない。
我々の子孫は理想という青空の高みに向かってどこまで昇ることができるのだろうか。

――――ジャン・アンリ・ファーブル


ちょっと気になるねぇ。今、この年齢でちゃんと読んでみたらもっと面白いのかもね。
そういえば2、3年前に、同じく子供の頃読んだはずの「シートン動物記 オオカミ王ロボ」なんか読んだらかなり面白かったもんなぁ。

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帰りの電車で [Book]

今日は神田で飲み会があって短い時間だったんだけどゴキゲンな時を過ごした後、珍しく酔っぱらった私が(シークァーサーハイ薄め2杯しか飲んでませんが)、帰りの電車の中でナガツマくんに話した事を書いてみようと思いまする。
う~、そろそろ頭いてぇ。

今日、昼間、横浜そごうで「3.11から学ぶペットの防災学」“警戒区域に残された動物たちの実態を取材した2人の作家が語る「飼い主さんに、いますぐ伝えたいこと」”っちゅータイトルのトークイベントがあるのを知って、まぁ、時間もあったし、ちょっくら行ってみた。

時間が短かったせいか、ぶっちゃけ、俺にとってはそんなに濃い内容の話でもなく、たいして面白くなかった。まぁ、それは俺にとってはっちゅー話だから、別に意味のない話だった訳ではない。と思う。

話が薄っぺらく感じたんで、じゃあ本を買ってじっくり読んでみようと思いその場で2冊の本を買った。
く~、こういう売り方があるのか~。



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  • 作者: ?? ??
  • 出版社/メーカー: ????
  • 発売日: 2012/05
  • メディア: ???


なんじゃこりゃ。文字化けしてねぇか?
「震災ペットを救う」藤村晃子著 長崎出版


福島 余命1カ月の被災犬 とんがりあたまのごん太

福島 余命1カ月の被災犬 とんがりあたまのごん太

  • 作者: 仲本 剛
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2012/04/18
  • メディア: 単行本



まだ読んでいないけど、本は充実している事を期待する。

このイベントでちょっと興味をひかれたのは、震災直後に確かフジテレビ(たぶん)のニュースで報道された宮城県の津波で何もかも無くなった泥の中に佇んでいた2頭の犬の飼い主さんがゲストとして出演していた事。
俺はネットの情報でこの2頭はその後無事に保護されたと知ったんだけど、本当は1頭だけで、もう1頭はまだ見つかっていなく、今でも捜し続けているという話。
この飼い主さんの話、ちゃんと聞きたかったんだけど、俺の耳では聞き取りづらい男の人だった上にイベントスペースがデパートの一角でガヤガヤしていて、補聴器をしてみたけど、ほぼ分からず。残念。

まぁ、何しろ時間が短かったんだけど、イベントの最後に司会の女が言う訳よ。「みなさん、OOちゃんが無事に見つかるように、是非祈りを捧げてくださ~い」と。

俺、直感的に思った。キモチワリィ。

まぁまぁ、祈る事は大切ですよ。祈る事で動く世界もある。だけど、キモチワリィと思ったんだからしょうがない。

そんでさ、本買ったら、なんか、サイン会とか始まる訳。本買った人が著者の2人にサインもらうために並んでる訳。いや、いーよ、別に。それで嬉しいなら。
自分が若い頃のヒーローとも言えるブルーハーツの梶原さんにも、叫ぶ詩人の会のドリアンさんにも、サインをお願いした事がない私は、もちろんそんな今日初めて知った奴のサインなどもらいたい訳がなく、その列が終わるまで待ってた。

去年の4月、福島で保護したあのワンコの事。今でもずっと考えてる。飼い主さん探し、友達も協力してくれて自分に出来る事はやったつもりだけど結局見つけられず、里親さんが見つかって引き取られた。良かったと思う反面、あの時、ケガをしていたからと言って俺が保健所に連れて行ったりしなければ、そのまま飯だけ食わして帰っていたら、もしかしたら飼い主さんの元に戻れたんじゃないかって思う。里親さんに引き取られてアイツの情報はホームページから消えてしまっている。もしも、まだ元の飼い主さんが探していたら……。
ゲストの宮城県の飼い主さんももう1頭を今でも探していると言う。
いったい俺のした事は、アイツにとって、元の飼い主さんにとって、良かった事なのか、悪かった事なのか。

その話を、サイン会が終わってたまたま目の前にいた著者の一人にぶつけてみた。答えなんてないのは分かってる。でも、そいつの意見を聞いてみたかった。内気なボクちゃんが知らん人に話しかけるんだから、それなりの覚悟で話してますよ。
けどね、特に明確なその人の考え、意見も聞けぬまま「そろそろ時間が来てしまったので、よかったらメールで……」等とはぐらかされてしまった。
別にガッカリではない。話してる途中から、だいたい予想してた。

今までの経験から言って、“善人”ちゅー奴は自分の能力の範疇の事しかしない。それ以外の事からは逃げる。“器のでかい人”っちゅー奴は、自分の器からこぼれた分はシカトする。自分の手を汚す事や失敗して信用をなくす事を恐れているから。
「善人の無意識の悪意」ほどたちの悪いものはない。

話の途中で切り上げるのなら、メールを送るのは俺じゃなく、あんただろって思う。だからもういいや。

帰り道、いろいろ考えた。

この本やこのトークイベントが、何も知らなかった人がその事を知るきっかけになるのは、すごくいい事だと思う。
だけど、本を読んで感動して、それで終わりになってしまったら残念だと思う。

去年の4月8日、福島で会った犬の中に、一緒に道路に寝そべっていた親子か兄弟か分からないが同じ犬種の2頭の犬がいた。12日に行った時、その道路の近くの家の広い庭に1頭だけ繋がれていた。きっと様子を見に帰った飼い主さんが繋いだんだと思う。だけど、そこには1頭しかいなかったんだ。もう1頭の事は分からない。あの時たまたま一緒にいただけで別の家の犬だったのかもしれない。その後、無事に戻ったのか、それとも……。俺には分からない。

カメラがとらえたものや、物語として伝えられたものだけがすべてじゃない。

震災の後、いくつもの美談や感動秘話が伝えられた。でも、美談にも感動秘話にもならない物語が、幾千もある。

ライターは人々が興味を示すものしか書かない。ジャーナリストは人々が感動するものしか取材しない。出版社は金に変わる物語しか活字にしない。放送局はインチキだ。(たとえば日本テレビの「志村どうぶつ園」、動物がカワイイからつい見ちゃうけど、みんな泣いてる俺も泣いてる再現ドラマ、あれ、再現じゃなくて事実を捻じ曲げ、より感動的につくりかえたフィクションだよ。だからただのドラマとして観るように)

想像するしかないんだ。美談にも感動秘話にもならない、もっと底辺を。そして何か気付いたら、何か疑問に思ったら、何かしたいと思ったら、それをやればいい。何も思わなかったら別にいい。「祈りを捧げてくださ~い」などとは俺は間違っても言わない。

う~、酔っぱらってるんで、なんだかまとまらなくなってきちまった。
あとは、この文章を読んでくれた人の感覚に任せる。

帰りの電車で、俺が「善人の無意識の悪意」について語ったところ、ナガツマくんが言ったんよ。「なんかしたいと思っても、正直、たとえば俺には障害者の事は分からないしね。だから気付いた事しか出来ないしね」って。それが正解と思った。

あ、電車と障害者と言えば、優先席っちゅーのおかしくねぇか?あんなもの特別に作ってるからそれ以外の座席で健常者が幅を利かせる事になってる。
誰が見ても障害をかかえている人にはみんなきっと優しいよ。でもね、ちょっとだけ障害をかかえている人は自分から言えないし、我慢してるんだよ。そういう人、いっぱいいるような気がする。
だから俺、よっぽど空いていない限り、電車では座らない。座るのやめた。席譲るのめんどくせーし。
自分がほんのちょっとだけ障害をかかえるようになってその事に気付いた。気付いたからやってるだけ。そんで自分の偽善者ぶりに酔ってるだけ。
だから、お前ら座るなとか言わないよ。椅子があるんだから座ればいいじゃん。寝てるふりだってすればいいじゃん。あんたの自由。俺には関係ねぇ。

もう、頭いてぇから寝る。
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名言のはなし [Book]

あぁ、キョンキョンが観たいっていうそれだけのために、俺はどれだけの時間を無駄にしなければならないのか。

ちゃんとした演技が出来る役者をそろえても、鎌倉っていうある種特殊な町を舞台にしても、脚本があれじゃどうしようもない。
ちゅーか、テレビのドラマっていうのはこの程度が相場なのでしょうか?
じゃあ、観なけりゃいいじゃんって思うけど、やっぱりキョンキョンが観たいのです。

もう一つテレビドラマ観てるんだけど、「運命の人」ってやつ。もっくん主演のやつ。
最初の方はなかなか面白かったんだけど、ここんとこ終始男女の愛憎劇が繰り広げられている感じで、それならそれでもうちょっと深みがほしい気がしていまいち。
けどこれは沖縄返還の裏に隠されていた政府の密約を暴いた新聞記者の実話が元になっているから、今後の展開に期待できると思う。けど、時々出てくる松たか子のいとこ役のイモ演技には少々うんざり。あれ、どうなの?あれ、カッコイイの?まぁどうでもいいや。

関係ないけど、もっくん主演の「ラストソング」ってけっこう昔の映画知ってる?あれは吉岡クンが主演か?
あの映画けっこう好きなんだよね。最初の30分だけ。
もっくんのバンドが上京するため博多を出発するところ。直前にバンドをクビにしたギタリストが駅にひっそり見送りに来てて、走り出した列車の窓からもっくんが拳を見せるシーン。
俺にとってクライマックスはそこ。

状況は違っても、映画ほど劇的じゃなくても、バンドを長くやってきた奴ならああいう経験ってあるんじゃないのかなぁ。
昔、友達に言われたなぁ。「卒業したら一緒にバンドやろうって約束したじゃねぇかよ!」って。
他の奴とバンドを作った俺には返す言葉は何もなかった。自分の音楽をやるために友達を裏切った事は他にもある。
けど今、そいつがやってるバーにたまに行くと昔話で盛り上がったりする。

映画の後の方は、って物語のほとんどだけど、いかにも泣いて下さいっていうテレビ的なお涙頂戴ものでつまらん。やっぱりしょせんはテレビ局が制作した映画って感じ。
でも、もっくんはかなりカッコよかった。

もっくん繋がりで話がずれてしまったが、テレビにあまり期待していない俺でも毎週楽しみにしてる番組がある。

「世界は言葉でできている」ってやつ。これ、かなり面白い。

いろんな分野の人が残した名言が一部空白になっていて、そこの部分をコトバスターと呼ばれている解答者(っていうのもちょっと違うが)が当てるのではなく、自分の言葉で埋めて新しい名言にするっていうのが面白い。
偉人の名言よりいいじゃんっていうものがちょくちょくある。
俺も一緒に考えてみたりするんだけど、コトバスターの名言に唸らされたり、感心したり、かなり楽しい。1時間番組にしてくれたらいいのに。

ちょっと前にこの番組の事を教えてくれた友達と番組について話をしていた時、「おのちゃんさんにも影響を受けた言葉ってある?」みたいな事を聞かれた。
そりゃあ、あるよ~。いろいろ。
やっぱ学生の頃はロックの歌詞とかね。歌詞は名言って言うのか分からないけど。
そんな中でもジョー・ストラマーのこの歌詞は15歳の俺には名言だったね。

“金持ちのしている事なんて知りたくもない
金持ちの行く所なんて行きたくもない
連中は自分が賢くて正しいと思ってる
だけど真実を知っているのはどん底の人間だけさ”

まぁ、これは歌詞だけどさ。他にもいろいろ、詩の1行だったり、映画のセリフだったり、ロックシンガーのインタビュー記事だったり、いろいろあるよね~。

でも今、何かひとつって聞かれたら、俺は絶対この言葉を答えるっていうのがある。

“水だと思って飲んだら血だった。そういう文章を僕は書きたい”

これ、わりと最近、4年前かな?たまたまつけたテレビに作家の宮本輝が出ていて、こう言ったんだよね。

仕事終わって家に帰って、一息ついて、意味もなくテレビをつけたんだよね。そしたら当時の教育テレビだったんだけど宮本輝が出ていた。番組はもう終わりに近かったみたいで、あまり話の流れはよく分からなかったけど、好きな作家だし、そのまま観てた。

「評論家に宮本は悪を書けない作家だと言われたりする。そりゃあ書けと言われれば書けますよ。そんなものいくらでも書けますよ。でもそれは僕の仕事じゃない。他の人が書いているんだからそれを読めばいい。僕は心根の暖かい人間味のある文章を書きたい」っていうような話の後に、この名言を言ったんだよね。

「水だと思って飲んだら血だった。そういう文章を僕は書きたい」って。

なんか、すごい衝撃だったんだよね。

「清濁合わせ飲む」って言葉があるけど、歌詞とか書く上で‘清’だけじゃリアリティがないし、かといって‘濁’ばかりではロマンスがない、やっぱり‘清’も‘濁’も含んでないとってずっと思っていた。
でもこの言葉にガツンとやられたね。‘血’は血でしかなく、清も濁もない。薬でもなく毒でもない。冷たくもなく熱くもない。
意識して取り入れた綺麗なものや汚いものなんて、それはせいぜい顔に塗った化粧や泥でしかないって事なんだよね。

それからずっと「水だと思って飲んだら血だった。そういううたを僕は書きたい」と思っているんだけど、どうかなぁ……。

そんな感じで、最近読んだ宮本輝の本。


骸骨ビルの庭(上) (講談社文庫)

骸骨ビルの庭(上) (講談社文庫)

  • 作者: 宮本 輝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/12/15
  • メディア: 文庫



骸骨ビルの庭(下) (講談社文庫)

骸骨ビルの庭(下) (講談社文庫)

  • 作者: 宮本 輝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/12/15
  • メディア: 文庫



ずっと前から、いつか読む日を楽しみにしていた本なんだけど、前半の面白さに比べて終わりは個人的には(宮本輝のわりには)いまいちだったかな。
でも解説にあるように確実に余韻は残る。魂魄、心根、そういう事を考えさせられる。
それからやっぱり宮本輝の文章は読みやすくて好きだなぁ。

さて、3月だね。3月が来たね。まるでなにもなかったように。
今はこれを読んでいます。
ドリアンさん(作家名明川哲也)の短編も収録されてます。


それでも三月は、また

それでも三月は、また

  • 作者: 谷川 俊太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/02/25
  • メディア: 単行本



そして、BCはライヴがあります。
特別な事は何もありません。普通にロックするだけです。それが俺の2012年の3月11日を迎える方法です。

☆3.11(sun)
六本木 CLUB EDGE

「Blue×Sky '12 ~in the box~」

カケル/奏(KANADE)/BC 5AM/住谷バンド(仮)/ぽろり

open11:30 start11:50 ¥1.000/¥1.500(D別)

BCは13:10からの出演予定。

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HERE [Book]

禅について学んでいるんだけど、最初のうちはぜんぜん(若干シャレです)ちんぷんかんぷんだった。
けど、前回の講座で「柱が終日動きまわっているのに、どうして私は動かないのか。」(これ、どういう事か分かる?)という言葉を読み解けた時、「禅」という空にかかっていた雲が一気に晴れて視界が開けていくような、そんな気がした。気がしただけかもしれませんが。

今日の講座での事。一人の僧が初祖達磨がなぜ西方よりやってきたかを尋ねた時の和尚の返答は「どこからお前は来た?」という言葉。さて、この言葉になんて答えるかっていう話で、その時俺が思っていたのは「ここから来た」という答えだった。それは裏を返せば「ここにいたらあなたが来た」という意味なのだけど、ドリアンさんに当てられた別の受講生が「最初からここにいる」と答え、それが正解。なんか「正解」っていう概念もすでに禅的ではないような気がしなくもないが。俺が思っていた答えと同意だから、俺も正解。
なんとなく分かってきたのかな?

そんな感じ。


ふりむくな
ふりむくな
うしろには夢がない

寺山修司名言集―身捨つるほどの祖国はありや

寺山修司名言集―身捨つるほどの祖国はありや

  • 作者: 寺山 修司
  • 出版社/メーカー: パルコエンタテインメント事業局
  • 発売日: 2003/03
  • メディア: 単行本



僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る

高村光太郎詩集 (岩波文庫)

高村光太郎詩集 (岩波文庫)

  • 作者: 高村 光太郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1981/03
  • メディア: 文庫




HERE IS ALL.
この瞬間がすべて。
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ときめき [Book]

キョンキョンのドラマ観た。
ほんの一瞬だけど、映ってたよねぇ。LA。跡地。
鎌倉ロッカーズの聖地。
内容がくだらなかったから(最初から期待してないけど)1回観てHDDから消去しちゃったから、確認できないんだけど。
毎週キョンキョンが観れるのは嬉しい。

キョンキョンが出てたドラマ、NHKでやってた「とんび」はまぁまぁよかった。読んでないけど、いかにも重松清原作っていう感じだった。
最近、重松清の本ぜんぜん読んでないな。「疾走」と「流星ワゴン」はなかなかよかった。

キョンキョンが出ていた映画、「転々」っちゅーのを最近観た。
これはけっこうよかった。三浦友和ああいう役もけっこう似合うんだね。訳ありで東京を散歩した末の「家族ごっこ」。オダギリジョーがカレーライスを食べながら泣くシーン、切なかったね。いい映画だった。

最近観た他の映画は、アパルトヘイト後の南ア、ヨハネスブルグ、スラムのギャングの少年が強奪した車の中に赤ちゃんがいたことから、人間性を取り戻してゆく物語「ツォツィ」。これもよかった。映画は現代で描いていたけど、原作はアパルトヘイト政策下の60年代が舞台になっているみたいだから、いつか読んでみたいと思う。
それから、公開時に劇場で観たデ・ニーロとアル・パチーノが共演した「ヒート」とか、久しぶりに「ユージュアル・サスペクツ」とか観た。

けど、最近観た中で、一番衝撃だったのは「ときめきに死す」だなぁ。昨夜観たんだけど。
ジュリー主演の80年代の映画。
何の予備知識もなく観始めたんだけど、ぶっちゃけつまんね~、おまけに何言ってるか分かんね~、ボソボソしゃべるからさ、いまいち聞き取れなくてさ。途中でもうやめようかと思った。
ジュリーの映画は「太陽を盗んだ男」が面白かったからさ、これも期待したんだけど期待外れだったかなぁ、なんて思いつつ、若き日の樋口可南子が綺麗だったから、とりあえず観続けてた。
ジュリーは決行の日を待つ暗殺者。その世話をする男と、娼婦として雇われた女の別荘での共同生活。
静かな映画。何度か出てくるジュリーのセリフで言うなら「涼しい」映画。ほとんど物語が動かない。
でクライマックス、やっと動いたと思ったら、あまりのあっけなさに「ここまで引っぱといてこれかい!」と突っ込む事すら出来ないくらいガッカリした直後、衝撃のラストシーン。
この映画、公開当時、俺は中学生だったと思うんだけど、その時に観ないでよかった。トラウマになるよ。
まぁ、そこそこ映画も観てきたから、ちょっとくらいの事じゃそんなにショック受けないんだけど。三島の「憂国」だって観てるしさ。そんな俺でも、このラストシーンは、それまでが延々と静かで押し殺した描写だったせいか、なかなかショックだった。
そして、軽く茫然としつつ、それまでのシーンが一気にフラッシュバックしてきた。終わってみれば名作でした。

で、気になったんでネットでいろいろ調べたりして、気がつけば朝になってた。
これ、原作が丸山健二だったのね。丸山健二はいつか読んでみようと思いつつまだ1冊も読んだ事がない。気になっている作家なんだよね~。
映画「ときめきに死す」は、ビートたけしが当時絶賛してて、映画監督北野武に影響を与えてるみたい。言われてみれば、そんな感じか。北野武の映画では俺は「HANABI」と「DOLLS」がいいと思うんだけど、静かで内にこもっているパッションとか、通じるものがあるような。あと青っぽい映像も。
観終わった後の感覚が何かと似てるなぁと思って考えたら、ヴィンセント・ギャロの名作「ブラウン・バニー」を初めて観た時もこういう感じだったなぁと。

そんな感じ。

「ときめき」と言えばさ、とても素敵な詩集に出会ったんだよ。


ジャック・プレヴェール 鳥への挨拶

ジャック・プレヴェール 鳥への挨拶

  • 作者: ジャック プレヴェール
  • 出版社/メーカー: ぴあ
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 単行本



ジャック・プレヴェール、寺山修二の本の中に見かけたと思うフランスの作家だけど、今まで読んだ事なかった。
この前、ドリアンさんの講座で一篇だけ取り上げられて、すごくよかったからアマゾンで買った。
俺あんまりこういう「少年の心をもった大人」みたいな表現好きじゃないんだけど、帯に「子供のまま大人になった子供たちへ」ってコピーがあって、それが的を得ているっていうか。
そしてそれだけではなく、動物、自然への愛、抑圧、戦争への批判、政治への風刺なども感じられて、とてもいい。
ジブリの高畑勲監督の訳もいいと思う(原文読めないし知らないけど)。誰でも読みやすいと思う。
本の装丁もキュートですごくいいし、さらに紙の質感も。
詩とかに興味ある人にはお勧めだなぁ。

やっぱりハッピーな「ときめき」の方がいいよ。
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ここよりはじまる [Book]

一昨夜、アニメーション映画「銀河鉄道の夜」を10年ぶりくらいに観た。


銀河鉄道の夜 [DVD]

銀河鉄道の夜 [DVD]

  • 出版社/メーカー: アスミック
  • メディア: DVD



「心が洗われる」とかよく使うけど、この映画は「ココロが透き通る」って感じ。これは賢治さんの原作に感じる印象と同じ。原作の世界観を壊すことなく、ほんとによく出来ている映画だと思う。
エンドロールの「春と修羅 序」の朗読も秀逸。

ただし、ジョバンニもカムパネルラも猫ですが。

だけど、登場人物を猫に置き換えている所が実は大成功だと思う。映画化されると原作を読んでそれぞれが持っていた人物のイメージを壊されてしまうっていう事がよくあるけど、猫にしたせいでむしろそういう危険が回避出来てる。
ちゅーか、逆にこの映画を観て以来、「銀河鉄道の夜」を読むとジョバンニもカムパネルラも猫の姿を思い浮かべてしまうんだよねぇ・・・・・。


銀河鉄道の夜 (扶桑社文庫)

銀河鉄道の夜 (扶桑社文庫)

  • 作者: ますむら ひろし
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 1995/03
  • メディア: 文庫



ますむらひろしが登場人物を猫で描いた漫画「銀河鉄道の夜」がこの映画の元になっているんだろうけど、漫画と映画ではキャラクターが全然違う。
この文庫本には「銀河鉄道の夜」をより深く理解するためにも重要なブルカニロ博士が登場する初期形も収録されていて、お勧めです。

たまに書店で見かける名作を漫画にしたやつで出てる「マンガで読破 銀河鉄道の夜」っていうのは、俺は全然よくないと思ってるから読まない方がいいよ。

まぁ、なんにしても、原作を読むのが第一条件ですが。

賢治さんが妹トシを亡くした事をきっかけに書いたと言われている「銀河鉄道の夜」。生と死の物語。
ジョバンニの孤独、悲しみ。カムパネルラという親友の喪失。そこから始まる希望。「ほんとうの幸い」とは何か。

この物語は時折、もう何度も読み返しているけれど、その度に新しい感情の発見がある。いまだにすべてを理解しきれない。あまりにもスケールの大きな物語。
だからきっと賢治さんも何度も推敲を重ねて、それでも「永遠の未完」と呼ばれているように、この物語には終わりがない。どこまでも広がっていく。

今回、映画を観て考えた事。ラストシーン、ジョバンニは「カムパネルラはもう銀河のはずれにいる」と知り、そしてお母さんの牛乳を抱えて家へと走り出す。

銀河=MILKY WAY、牛乳=MILK 。

銀河をどこまでも行けるジョバンニの切符は、「ほんとうの幸い」を探す誰もが手にする事が出来るものなのかもしれない。
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アバンギャルドでいこうよ [Book]

おととい届いた岡本太郎の本、約束通り、読了。


自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか (青春文庫)

自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか (青春文庫)

  • 作者: 岡本 太郎
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 1993/08
  • メディア: 文庫



読んでいる間、俺のココロにずっと浮かんでいた賢治さんの言葉。

 世界全体が幸福にならないうちは個人の幸福はありえない。
 芸術をもってあの灰色の労働を燃やせ。
 人生のための芸術は青年期にあり
 芸術としての人生は老年期に完成する。
 (農民芸術概論より)

俺んちはトイレが喫煙所なんだけど、一服する時間も無駄にせず便座に座って2冊目に突入。

Image544.jpg

けど、そろそろ眠くなってきた。

ブログ書きながら、昨日録った音源ヘッドフォンで聴いてたんだけど、もう眠いっちゅー事もあるせいか、歌もギターもベースも超アバンギャルド。こんなメロディ作った覚えねぇぞ。
考えようによっちゃあ、音程がまともに聞こえない俺の耳って超芸術的!

今日、片目だけ色弱の人が、「今日は右目だけで見るとほとんど白黒に見える」って言ってた。
不謹慎だけど、その目がほしいって思った。

一般大多数の目で見える色や耳で聞こえる音だけがすべてじゃない。
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best minds of my generation [Book]

この前、ウインズを観に行った時、劇場のオープン時間より30分ほど早く着いてしまったから、どうしようかと思っていたら、まん前にこれこそ古本屋っていう店があってそこで時間を潰すことにした。

なんていう店の名前だったかはすっかり忘れてしまったけど、入口に積まれた安売りの本、中に入っても棚に入りきらなかったものが、無造作に足元に積まれており、さらには、髭を生やしたおっさんが小さな音でビートルズを聴いているっていう、直球ど真ん中の古本屋だった。

昔、都内で働いていた頃は、時々、帰り道で寄り道したりして古本屋に立ち寄ったりしていたんだけど、今は職場も家のすぐ近くだし、近所にそういう店はないし、そういう店って基本的にふらっと行くものである訳だから、すげぇ久しぶりでなんか落ち着いた。

ブックオフっちゅーのは日本の古本文化を衰退させる店であり、本の価値など分かっていない店であり、外面ばかりきれいなものを売っとけばいいじゃんかボケと思いつつ、近所にあるんでついつい利用してしまうダメな奴の俺が言うのもなんだけど、やっぱ正統派古本店がんばってほしいなぁ。

そんな訳で、そこの店で売り上げに貢献しようと思った。
とりあえず目的もなく本屋に行ったらまず最初に足を向けるのは詩集のコーナーなんだけど、こういう店だとバカ相手に商売してるブックオフみたいに「国内男性」とか「エッセイ」とかジャンルごとのコーナータイトル等ついているはずもなく、どこにどのような本が並んでいるのか自分で探すというのが楽しい訳で、まぁ、だいたい詩集なんてものは、店の入り口付近に置いてある事はほとんどないんで、入口あたりをチラッとだけ見て、狭い店の奥の方へ行った。

そんで詩集のコーナー予想通りの場所に見つけたんだけど、あんまり気になるものはなかった。あ、U2詩集があった。安かった。けど、そんなものはこの店で買う本じゃないんだなぁ。

そしたらさ、そのとなりの棚にバロウズとギンズバーグの「麻薬書簡」があった訳さ。


麻薬書簡 (Serie Fantastique)

麻薬書簡 (Serie Fantastique)

  • 作者: ウィリアム・バロウズ
  • 出版社/メーカー: 思潮社
  • 発売日: 1986/05
  • メディア: 単行本



あぁ、これだなと思ってさ。いやぁ、俺、バロウズなんて別に好きじゃないの。「裸のランチ」なんてちっとも面白いと思わないの。けど、あの本はインテリアとして本棚に置いてあるけどね。
そんでこれもきっとたいして面白くはないだろうけど、きっと一回目を通す程度だろうけど、まぁインテリアになるかなと思ってさ。
何より、その店のおっさん「デーィトリッパ」なんてこっそり口ずさんじゃってるし、もしかして、元ヒッピー?みたいな。そのおっさんの店に金落とすんなら、そりゃあBEAT GENERATIONを代表するバロウズとギンズバーグのお手紙の本がぴったりじゃないか。

そんで、その本持ってどうもレジがあるらしい本が山積みになってるおっさんの近くに行ったんだけど、おっさんビートルズに熱中してて「すみません、お会計」と声をかけるまで気がつかなかった。ははは。
ほんと、いい店だったなぁ。

ちゅー訳で、さっきサクッと読んだんだけど、やっぱ俺には特に面白いとも思わない本でした。

けどさ、久しぶりにギンズバーグとかケルアックとかスナイダーとかビート文学読みたくなってしまいました。
読みたい本がいっぱいあるなぁ。仕事してる時間もったいねぇなぁ。


ギンズバーグ詩集

ギンズバーグ詩集

  • 作者: 諏訪 優
  • 出版社/メーカー: 思潮社
  • 発売日: 1991/09
  • メディア: 単行本



ジャック・ケルアック詩集 (アメリカ現代詩共同訳詩シリーズ)

ジャック・ケルアック詩集 (アメリカ現代詩共同訳詩シリーズ)

  • 作者: ジャック ケルアック
  • 出版社/メーカー: 思潮社
  • 発売日: 1992/01
  • メディア: 単行本



路上 (河出文庫 505A)

路上 (河出文庫 505A)

  • 作者: ジャック・ケルアック
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1983/02
  • メディア: 文庫



スナイダー詩集 ノー・ネイチャー

スナイダー詩集 ノー・ネイチャー

  • 作者: ゲーリー スナイダー
  • 出版社/メーカー: 思潮社
  • 発売日: 2002/01
  • メディア: 単行本



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